国際化 (Internationalization)
Next.jsでは、ルーティングとコンテンツのレンダリングを設定して複数の言語をサポートできます。サイトを異なるロケールに適応させるには、翻訳されたコンテンツ(ローカライゼーション)と国際化されたルートが必要です。
用語解説
- ロケール (Locale): 言語とフォーマット設定の識別子。通常、ユーザーの優先言語と地理的な地域が含まれます。
en-US
: アメリカで話される英語nl-NL
: オランダで話されるオランダ語nl
: 特定の地域を指定しないオランダ語
ルーティング概要
ブラウザの言語設定を使用してロケールを選択することを推奨します。優先言語を変更すると、アプリケーションへのリクエストのAccept-Language
ヘッダーが変更されます。
例えば、以下のライブラリを使用して、Headers
、サポート予定のロケール、デフォルトロケールに基づいて、受信したRequest
から使用するロケールを決定できます。
import { match } from '@formatjs/intl-localematcher'
import Negotiator from 'negotiator'
let headers = { 'accept-language': 'en-US,en;q=0.5' }
let languages = new Negotiator({ headers }).languages()
let locales = ['en-US', 'nl-NL', 'nl']
let defaultLocale = 'en-US'
match(languages, locales, defaultLocale) // -> 'en-US'
ルーティングは、サブパス(/fr/products
)またはドメイン(my-site.fr/products
)で国際化できます。この情報を使用して、Middleware内でロケールに基づいてユーザーをリダイレクトできます。
import { NextResponse } from "next/server";
let locales = ['en-US', 'nl-NL', 'nl']
// 上記と同様の方法またはライブラリを使用して優先ロケールを取得
function getLocale(request) { ... }
export function middleware(request) {
// パス名にサポートされているロケールがあるか確認
const { pathname } = request.nextUrl
const pathnameHasLocale = locales.some(
(locale) => pathname.startsWith(`/${locale}/`) || pathname === `/${locale}`
)
if (pathnameHasLocale) return
// ロケールがない場合はリダイレクト
const locale = getLocale(request)
request.nextUrl.pathname = `/${locale}${pathname}`
// 例: 受信リクエストが/productsの場合
// 新しいURLは/en-US/productsになる
return NextResponse.redirect(request.nextUrl)
}
export const config = {
matcher: [
// 内部パス(_next)をスキップ
'/((?!_next).*)',
// オプション: ルート(/)URLのみで実行
// '/'
],
}
最後に、app/
内のすべての特別なファイルがapp/[lang]
の下にネストされていることを確認してください。これにより、Next.jsルーターがルート内の異なるロケールを動的に処理し、lang
パラメータをすべてのレイアウトとページに転送できます。例えば:
// 現在のロケールにアクセス可能
// 例: /en-US/products -> `lang`は"en-US"
export default async function Page({ params: { lang } }) {
return ...
}
ルートレイアウトも新しいフォルダ(例: app/[lang]/layout.js
)にネストできます。
ローカライゼーション
ユーザーの優先ロケールに基づいて表示コンテンツを変更するローカライゼーションは、Next.jsに固有のものではありません。以下で説明するパターンは、どのウェブアプリケーションでも同じように機能します。
アプリケーション内で英語とオランダ語のコンテンツをサポートしたいと仮定しましょう。2つの異なる「辞書」を維持する場合があります。これは、キーからローカライズされた文字列へのマッピングを提供するオブジェクトです。例えば:
{
"products": {
"cart": "Add to Cart"
}
}
{
"products": {
"cart": "Toevoegen aan Winkelwagen"
}
}
次に、要求されたロケールの翻訳を読み込むgetDictionary
関数を作成できます:
import 'server-only'
const dictionaries = {
en: () => import('./dictionaries/en.json').then((module) => module.default),
nl: () => import('./dictionaries/nl.json').then((module) => module.default),
}
export const getDictionary = async (locale) => dictionaries[locale]()
現在選択されている言語を考慮して、レイアウトまたはページ内で辞書を取得できます。
import { getDictionary } from './dictionaries'
export default async function Page({ params: { lang } }) {
const dict = await getDictionary(lang) // en
return <button>{dict.products.cart}</button> // Add to Cart
}
app/
ディレクトリ内のすべてのレイアウトとページはデフォルトでサーバーコンポーネントであるため、翻訳ファイルのサイズがクライアント側のJavaScriptバンドルサイズに影響を与えることを心配する必要はありません。このコードはサーバー上でのみ実行され、結果のHTMLのみがブラウザに送信されます。
静的生成
特定のロケールセットに対して静的ルートを生成するには、任意のページまたはレイアウトでgenerateStaticParams
を使用できます。これはルートレイアウトでグローバルに設定できます:
export async function generateStaticParams() {
return [{ lang: 'en-US' }, { lang: 'de' }]
}
export default function Root({ children, params }) {
return (
<html lang={params.lang}>
<body>{children}</body>
</html>
)
}