はじめに/ガイド/PostCSS

Next.jsでPostCSSを設定する方法

デフォルトの動作

Next.jsは組み込みのCSSサポートのためにPostCSSを使用してCSSをコンパイルします。

設定なしで使用する場合、Next.jsは以下の変換を適用してCSSをコンパイルします:

デフォルトでは、CSS Gridカスタムプロパティ(CSS変数)はIE11向けにコンパイルされません

IE11でCSS Grid Layoutを使用するには、CSSファイルの先頭に次のコメントを追加します:

/* autoprefixer grid: autoplace */

以下の設定(折りたたまれています)でautoprefixerを構成することで、プロジェクト全体でIE11向けのCSS Grid Layoutサポートを有効にすることもできます。詳細は後述の「プラグインのカスタマイズ」を参照してください。

CSS Grid Layoutを有効にする設定を表示
postcss.config.json
{
  "plugins": [
    "postcss-flexbugs-fixes",
    [
      "postcss-preset-env",
      {
        "autoprefixer": {
          "flexbox": "no-2009",
          "grid": "autoplace"
        },
        "stage": 3,
        "features": {
          "custom-properties": false
        }
      }
    ]
  ]
}

CSS変数は安全にコンパイルできないため、コンパイルされません。変数を使用する必要がある場合は、Sass変数のようなSassでコンパイルされる機能の使用を検討してください。

ターゲットブラウザのカスタマイズ

Next.jsではBrowserslistを通じてターゲットブラウザ(Autoprefixerとコンパイル対象のCSS機能)を設定できます。

ブラウザリストをカスタマイズするには、package.jsonに以下のようにbrowserslistキーを追加します:

package.json
{
  "browserslist": [">0.3%", "not dead", "not op_mini all"]
}

browsersl.istツールを使用して、対象ブラウザを可視化できます。

CSSモジュール

CSSモジュールをサポートするために特別な設定は必要ありません。CSSモジュールを有効にするには、ファイルの拡張子を.module.cssに変更します。

Next.jsのCSSモジュールサポートについて詳しくはこちらをご覧ください。

プラグインのカスタマイズ

警告: カスタムPostCSS設定ファイルを定義すると、Next.jsはデフォルトの動作完全に無効化します。 Autoprefixerを含め、必要なすべての機能を手動で設定してください。 また、カスタム設定に含まれるプラグインは手動でインストールする必要があります(例: npm install postcss-flexbugs-fixes postcss-preset-env)。

PostCSS設定をカスタマイズするには、プロジェクトルートにpostcss.config.jsonファイルを作成します。

以下はNext.jsが使用するデフォルト設定です:

postcss.config.json
{
  "plugins": [
    "postcss-flexbugs-fixes",
    [
      "postcss-preset-env",
      {
        "autoprefixer": {
          "flexbox": "no-2009"
        },
        "stage": 3,
        "features": {
          "custom-properties": false
        }
      }
    ]
  ]
}

豆知識: Next.jsでは.postcssrc.jsonというファイル名や、package.jsonpostcssキーからの読み込みもサポートしています。

環境に基づいてプラグインを条件付きで含めたい場合は、postcss.config.jsファイルを使用してPostCSSを設定することも可能です:

postcss.config.js
module.exports = {
  plugins:
    process.env.NODE_ENV === 'production'
      ? [
          'postcss-flexbugs-fixes',
          [
            'postcss-preset-env',
            {
              autoprefixer: {
                flexbox: 'no-2009',
              },
              stage: 3,
              features: {
                'custom-properties': false,
              },
            },
          ],
        ]
      : [
          // 開発環境では変換なし
        ],
}

豆知識: Next.jsでは.postcssrc.jsというファイル名も使用可能です。

PostCSSプラグインのインポートにrequire()を使用しないでください。プラグインは文字列として提供する必要があります。

豆知識: postcss.config.jsが同じプロジェクト内の他の非Next.jsツールもサポートする必要がある場合は、相互運用可能なオブジェクトベースの形式を使用する必要があります:

module.exports = {
  plugins: {
    'postcss-flexbugs-fixes': {},
    'postcss-preset-env': {
      autoprefixer: {
        flexbox: 'no-2009',
      },
      stage: 3,
      features: {
        'custom-properties': false,
      },
    },
  },
}

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